(最近、無駄にしてる時間が多いなぁ…)そんな自覚があり、なんとなくネットを検索していてこの本を見つけた。著者の二人は、Google・YouTubeの元プロダクトデザイナー。時間泥棒の主犯格ともいえる製品の設計者が、時間を盗まれないようにするための方法を教えてくれるのが本書だ。
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだときにも「時間の大切さ」は痛いほど感じたはず。なのにいつの間にかまた油断して、時間泥棒に盗まれている時間のなんと多いことか。
著者が教えてくれる87の時間術ーースマホのホーム画面からアプリのアイコンを消すとか、SNSを使ったら毎回ログアウトするとか、メールをチェックする時間を決めるとか、ニュースは週に1回まとめて見るとかーーは、効果てきめんな泥棒対策になるだろう。
この手の本を(ほほう)と読んで終わりにするのはもったいない。1つでも2つでも、学んだワザを実生活に取り入れたい。「時間を作る」ために著者が提案する方法は、ざっくり言うとこんな感じ↓
① 一日の始めに「最重要事項(ハイライト)」を決めて時間をブロックする(60~90分がGOOD)。
② 気を散らすものを徹底的に排除して、レーザー光線を当てるようにハイライトに集中する。
③ 集中力を保つため、仮眠や運動、カフェインを利用してボディバッテリーを充電(チャージ)する。
④ 一日の終わりにどれくらいできたかを振り返り、毎日をチューニングする。
いいなと思ったのは、「一日のハイライトを決める」という考え方。ハイライトには、「緊急性」が高いもの、または大きな「満足感」や「喜び」が得られるものを選ぶ。振り返ったときに(ああ、今日は○○ができてよかった/○○が楽しかった/○○が最高だった)と深い満足感に浸れるようなハイライトが毎日ひとつでもあったら、ぐっすり眠れそう!
50代に入り、自分の人生に残された時間を意識するようになった。元気に動けるうちに、やっておきたいことがまだまだある。漫然と日々を過ごしていたら、1年や2年なんてあっという間。ライフハックをあれこれ知るのも面白かったけれど、この本を読んでいちばん良かったのは「時は金なり」を再認識させてくれたこと。
そう、Life is short!
書名 | 時間術大全ーー人生が本当に変わる「87の時間ワザ」 |
著者 | ジェイク・ナップ(著)、ジョン・ゼラツキー(著)、櫻井 祐子(翻訳) |
出版社 | ダイヤモンド社 |
出版年月 | 2019年6月 |
ページ数 | 320ページ |
著者について(Amazonより抜粋):
ジェイク・ナップ(Jake Knapp)
著術家、IDEO客員研究員。グーグルで、あらゆる仕事を最速化する仕事術「スプリント(デザインスプリント)」を生み出し、Gmailの改良に生かすなど大きく貢献。著書に世界的ベストセラー『SPRINT 最速仕事術』(ジョン・ゼラツキー、ブレイデン・コウィッツと共著、ダイヤモンド社)がある。
ジョン・ゼラツキー(John Zeratsky)
YouTube、グーグルなどのテクノロジー企業で、デザイナーとして「時間」を再設計するミッションに没頭してきた。現在は「ウォール・ストリート・ジャーナル」「タイム」「ハーバード・ビジネス・レビュー」「WIRED」他で執筆。