大丈夫、『今日までそして明日から』も。

評論・エッセイ・詩

本を開き、一枚一枚の「顔」を食い入るように見て、5分で読み終えた。途中から涙があふれて止まらなかった。数日後、もう一度本を開いた。また5分で読み終えて、また涙がこみ上げた。

写真家が撮った、50歳の女性たちの顔、顔、顔。シワも、シミも、濃いめのメイクも、そのひとのそのまんまを写真は映す。女性たちは少しも物怖じせず、堂々と微笑んでいる。

写真に、詩人・谷川俊太郎の言葉が重なる。

水餃子を作るのが得意です

ジョニー・デップのファンです

平泳ぎで国体に出たことがあるんです

一人ひとりに物語がある。あたりまえのことに心を衝かれる。

私と同じくらいの齢の女性たち。私はどんな風に見えるんだろう。私は今、どんな顔をしてるのかな? 私も撮ってもらいたいな。人の顔って、人生のすべてが書かれた分厚い本の表紙みたいだ。

私は私を隠しません

うんざりするほど悩んだ40代を通り過ぎて、最近やっと私も、今の自分で「よし」と思えるようになってきた。長かった。いろいろあったけど、自分なりの選択を重ねて今がある。お疲れさま、自分!

大丈夫。今日まで、そして明日からも^^

書名今日までそして明日から
著者谷川 俊太郎・詩/田淵 章三・写真
出版社佼成出版社
出版年月2015年6月
ページ数120ページ